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ハイドン:交響曲第88番「V字」/ムラヴィンスキー指揮/レニングラードフィル 1964年 [ハイドン]
(Russian Disk:RD CD 11 163)
ムラヴィンスキーらしい、きっちり縦線の揃った演奏。
シャープな音で、完璧なアンサンブル、且つ音量たっぷり、という訳で、一般的なハイドンの演奏からはかけ離れた、とても力強い演奏です。
カップリングの交響曲第104番「ロンドン」は、更に上を行く感じですね。
1960年代のロシアのオーケストラは、凶暴に感じる時もありますが、たまにはこんな演奏を聴くのも楽しいかなと。
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調/ブスタボ(V)/メンゲルベルク指揮/アムステルダムコンセルトヘボウ管弦楽団 1943年Live [ベートーヴェン]
(KING:KICC-2060)
ブスタボが24歳の時の共演。
女性とは思えないエネルギッシュなとても力強い演奏。
メンゲルベルクの指揮の下で、ド迫力のオーケストラの音量にも負けないくらい、弓を一杯使いきっている様子が伝わってきます。
旋律は、ヴァイオリン、オーケストラ共に大きく伸び縮みしながら、絶妙なバランスで表情豊かに歌い上げています。
ここまで崩しても、呼吸が合うところが凄いと思うのと同時に、魂で演奏しているんだなと感じます。
カップリングのブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番も必聴ですね。
(ARCHIVE DOCUMENTS:ADCD 117)
国内初出CDのKING盤と同じカップリングで、ARCHIVE DOCUMENTSからも発売されていますが、私の聴いた環境では、ARCHIVE DOCUMENTS盤の方が、会場の雰囲気がより伝わってくるような感じで、好感が持てました。
シューベルト:交響曲第8番「グレート」 シッパーズ指揮/シンシナティ交響楽団 1976年 [シューベルト]
(VOX:CDX 5140)
「グレート」は交響曲第9番では?という指摘もありそうですが、最近の国際シューベルト協会の認定番号を使いました。(NHKも最近は従っているみたい)
ややこしいですね。
トーマス・シッパーズは、個人的にはオペラ指揮者のイメージが強いですが、交響曲もなかなか個性的な録音が残されています。
それにしても、このグレートは、超個性的な演奏。クナッパーツブッシュの更に上をいってます。
第1楽章は、他では聴けない、超加速や減速が目白押し。
良く解釈すれば、情感豊かな歌心に溢れた演奏かな。
第2楽章は、テンポは普通の解釈ですが、旋律はオペラみたいに表現豊かに歌わせています。
演奏している側も楽しそう。
第3楽章も2楽章みたいに、標準的な演奏ですが、音はアメリカのオケという感じ。
ヨーロッパのオケとは違った、豪華な響きという印象。弦楽器、管楽器ともに冴えてます。
第4楽章は、オペラの終幕みたいに、弦楽器群は歌い、管楽器群が手綱を締めて、ティンパニがドンドコという感じで盛り上げていきます。
全楽章聴き終えると、オペラを1曲いたかのような印象が残り、珍しい体験が出来ますね。
数ある歴史的名演を聴き飽きたら、たまには気分転換にこういう演奏も良いかも。
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」 ミケランジェリ(P)/フレッチア指揮/RAIローマ交響楽団 1960年Live [ベートーヴェン]
(MEMORIA ABM:999-001)
1960年4月28日バチカン市国でのライヴ。
放送局の音源を使用して製作されているようで、モノラルだけど音質はとても良い。
楽章間のインターバルもそのまま収録されているので、ライヴの雰囲気が伝わってくる。おかげで、第一楽章の後に拍手を設けていたことが分かった。
第3楽章の終わりの弱音部で、「パン、ゴロゴロゴロ~」と雷らしき音が鮮明に入っているのが興味深い。
もしかして、嵐の中のでのライヴだったのかな?
ミケランジェリのピアノは、ライブでは、更に鮮やかな洗練された音に磨きがかかっている。
「皇帝」は、他にもスタジオ録音やライヴ録音の演奏を聴いたけど、良い音質で楽しむには、今まで聴いた中ではこのCDが一番良いみたい。
4枚組なので、シューマン、ドビッシー、ラヴェル、ショパン、リストも一緒に楽しめるというのも嬉しい。
ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」/エーリッヒ・クライバー指揮/ベルリン国立歌劇場管弦楽団 [ドヴォルザーク]
(DG:POCG-6069)
1929年、ベルリン国立歌劇場管弦楽団とのスタジオ録音。
SP盤の復刻なので、スクラッチノイズがありますが、気にならない人なら、メリハリが利いた演奏なので、一度聴いても損はないかなと思います。
聞き比べで、次に1954年の演奏を聴いてみました。
(DREAMLIFE:DLCA 7021)
1954年11月12日、ベルリン国立歌劇場管弦楽団とのライヴ録音。
残響は少なめですが、この時代の録音としては、音は鮮明に録られています。残響が少ない分、ゴツゴツ感がありますが、それはそれで、迫力を増す効果が出ています。
両演奏の時間はこんな感じ。
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1929年 / 1954年
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1) 9'20 / 9'26
2) 12'15 / 13'54
3) 8'01 / 7'52
4) 11'13 / 11'17
ブラームス:ピアノ協奏曲第1番/バレンボイム(P)/バルビローリ指揮/フィルハーモニア管弦楽団 [ブラームス]
ブラームス:ピアノ協奏曲第2番 ポリーニ(P)/オーマンディ指揮/フィラデルフィア管弦楽団 [ブラームス]
(ARKADIA:CDHP 600.1)
1971年12月6日ライヴ。
珍しい組み合わせですね。
エアチェック音源のような感じですが、鑑賞には支障ないレベルです。
色彩豊かなオーケストラをバックに堂々とした透明なピアノの音が映えます。
でも、実はボーナストラックの演奏の方が、更に貴重な録音だと思います。
ボーナストラックとして、1958年のジュネーヴ国際音楽コンクールでのスイスロマンド管弦楽団との同曲演奏が第一楽章だけ収められています。
ポリーニは1位該当なしの2位入賞。この時の演奏を良い音で聴くことができます。
この前年の1957年も、ポリーニは2位入賞。1位は南米の新星、アルゲリッチでした。
2年連続2位は悔しかったでしょうね。
若々しく完璧な演奏をしていますので、全楽章を聴いてみたい!
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第16番/バーンスタイン指揮/ウィーンフィルハーモニー [ベートーヴェン]
バッハ:ゴールドベルク変奏曲/グレン・グールド(P) [バッハ]
(Sony Classical:82876698532)
有名な1955年のスタジオ録音を久々に聴きました。
おまけでTrack33に収められている無編集のTake集が面白いですね。
あれだけ速く演奏した録音が一発でOKになるはずもなく、ミスタッチで、練習をしながら弾き直している様子を無編集で聴くことができます。それにしても、ミスタッチしない方が奇跡的に思えるくらい速いなあ。。。
また、息抜きで、少しお遊び感覚で、国歌の即興演奏しているところでは、とても和やかな雰囲気で、収録が行われた様子が伺えます。
グールドは録音でも旋律を歌いながら弾くイメージがありますが、練習中は、ほんとにジャケットの写真の通りだったみたいですね。
チャイコフスキー:交響曲第5番 ワルター指揮/NBC交響楽団 [チャイコフスキー]
【レーベル:AS disk】
【品番:AS-424】
【レーベル:キングレコード】
【品番:KIIC-2228】
ブルーノ・ワルターが指揮したチャイコフスキーの作品は少なく、当然、録音が残されているものも少ない中で、チャイ5の演奏が残されていたことは、とても幸いなことだったと思います。
1940年のライヴ録音なので、78回転アセテート盤からの復刻となり、スクラッチノイズは多いですが、生命力漲る演奏です。
特に第4楽章のテンポの変化が激しいところが興味深いです。随所で止まりそうなくらいガクッと速度を落としたりしていますが、よくオーケスラも反応しています。NBC交響楽団は流石ですね。
こんなに抑揚をつけた演奏は、最近では聴くことができないのではないでしょうか。
参考までに演奏時間は以下の通り。
1)12:44
2)13:04
3) 5:35
4)14:13
手元にあるCDは、約20年前の1990年頃発売されたもので、CD初期のものですが、AS disk盤は、変色が始まっており、あと何年かしたら寿命を迎えそう。。。
でも、キング盤の方がスクラッチノイズが少なく復刻されているので、こちらがあれば充分だと思います。
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